賃貸物件を借りる場合には大家さんに礼金を払うことが慣習です。
では、礼金とは何なのかというと元を辿れば戦後にまで遡ります。戦後は多くの都市が焼き野原になり
住む家を失った人が多かったため、そのような状況の中で大家さんに家を借りることのできた人は
貸してくれた感謝の気持ちで大家さんにお金を渡しており、それが慣習となったのです。
ですので今となってはただの慣習に過ぎず、できれば払いたくないものです。しかし未だにその存在はなくなっていません。
その理由は、礼金の一部を大家さんが不動産屋に支払う紹介料に充てているからです。
大家さんは家を借りる人を見つけるのに個人でやっていたのでは大変ですので、多くのルートやノウハウを持っている
不動産屋に依頼して借りる人を紹介してもらっています。
ですので紹介料は本来、大家さんが不動産屋に支払うべきものなのですが、実質は借りる人が大家さんの替わりに
支払っているというある意味理不尽なことになっているのです。
その事実を知らない人はいいとして、知っている人にとっても払わないと借りることが出来ないため今までは
泣き寝入りしてきました。ところが最近では物件が飽和状態になり大家さんも部屋を埋めることが難しく
なってきましたので礼金を無くしたり、減額するケースも増えてきています。現在は礼金は払わなければならないという
慣習がなくなるかもしれない転換期にあるといえます。